僕の重いで・・・
あれは何年前の冬だったか、
僕は大好きだった爺ちゃんと一緒に
近くのコンビニ行ったんだ。
爺ちゃんは無類の酒好きで、
この日もつまみに大好きな熱々のおでんを
買うためだったと思うんだけど、
僕は当然中には入れないので、
いつもの通り、入り口の傘立てに縛られて
爺ちゃんの出てくるのを待ってた。
しばらくすると、やっぱりおでんを片手に
ニコニコしながら扉を開けて出てきたので、
僕尻尾を振って歓迎したんだけど、
爺ちゃん、おでんにしか目が行ってなくて、
僕のことすっかり忘れたみたいで、
スタスタと家の方へ歩いて行っちゃった・・・。
僕、そんなときに吠えればいいんだけど、
爺ちゃん耳が悪いし、僕吠えるの自体が
好きじゃない。
そのうち迎えに来てくれると思って待ったけど、
心細くなってきて、僕、その傘立て引きずって
家に方へ歩き出したんだ、
ガラガラガラガラって・・・、
爺ちゃん、家へおでん持って帰ったら
婆ちゃんが、「爺ちゃんカイは?」って聞いて
初めて「コンビニに忘れたーー!!」って、
みんなで慌てて行ったら、向こうから傘立て
をガラガラって引きずって歩いてくるカイ、、
一応、尻尾は振ってはくれたけど・・・・・、
カイはあれ以来、○にKのマークのコンビニの近くを
通るのを本当に嫌がるようになりましたとさ、
こういうのを、
犬だけど、寅馬っていうのかな?